【ゴッドファーザー】愛ゆえに人は孤独。アメとムチの映像表現にみるゴッドファーザー考察

ゴッド・ファーザー レビュー レビュー

おうち時間どのようにお過ごしでしょうか?
私は、先週末ゴッド・ファーザーⅠを見ました。

高校生の時にはじめて観て、それ以来大好きな映画です。
ⅠもⅡもⅢも、それぞれ何回も観ました。

久々にみて「あ~、何度観てもやっぱり良いな」と思ったので、イチ押しポイントをまとめました。

すこ~しネタバレも含んでしまうので、まだ映画を観ていない人は読まないでください。

今後どうせ観ないっしょ!と思っている人も、決して読んではいけません。
いつか観る機会があった時に、私の駄文がみずみずしい初鑑賞を穢してしまっていては、監督のフランシス・コッポラさんに申し訳が立たないからです。

最後まで観終わった方は、つづきの文章をどうぞ!

アメとムチのギャップがすごい

ひさびさに鑑賞してあらためて感じるのですが、この映画、これでもか!ってほど陰陽のギャップを見せつけてきますよね。

冒頭から、

  • 華やかな結婚式の裏で行われる、暴力による報復の取引

にはじまり、

  • 映画プロデューサーの優雅な豪邸と、馬の生首
  • クリスマスムードにつつまれる街と、ゴッド・ファーザーの襲撃
  • のどかなシチリアの情景と、最愛の妻の死
  • 孫との戯れるゴッド・ファーザーと、突然の死
  • 神聖な洗礼式の裏で行われる、敵対勢力の粛清

目白押しですね。

悲惨なシーンを悲惨に描くだけではなく、思わずほほが緩むような美しいシーンがあるからこそ、マフィアという生き方の凄みが伝わってくるのです。

つまり、アメとムチ。

音楽でも、陽気なメロディーの上に失恋の歌詞がのせられているとハッとしますし、
あまいお菓子だって、少し塩を入っていると甘さが際立ちますね…そんな感じでしょう(笑)

この映画、「アメ」に相当するシーンが、本当に美しいんですよねぇ…
特に、冒頭の結婚式のシーンと、シチリアでの牧歌的な生活のシーンにはため息が出ます。

なんだかんだテーマは「愛」

ゴッド・ファーザーのテーマソングのタイトルはご存じでしょうか。

マフィアのテーマ、じゃありませんよ。
愛のテーマ(Love Theme From The Godfather)です。

この映画、さまざまな愛が描かれています。

恋愛、兄妹愛、夫婦愛、親子愛、家族(≒ファミリー/仲間)愛…などなど。

そして愛多きゆえに、それぞれの愛を天秤にかけて、どちらかを捨てて、どちらかを選ばなければならない場面もあるのです。

顕著なのが、最後のシーンですね。

まず、敵対勢力や裏切りものを粛正するにあたって、妹の結婚相手を殺しています。
(兄妹愛を捨てて、ファミリーへの愛を選んだのです)

妹は半狂乱になりながら「あんたが殺したんでしょ~!!」と、ドンとなったマイケルに詰め寄ります。

それを近くで見ていたマイケルの奥さん(ケイ)に、二人きりになってから尋ねられるわけです。
「本当に殺したの?」と。

いや…コレなんて返すのが正解なんでしょうねえ(苦笑)
ハイそうです、なんて言うわけにもいかないし、
違うよと答えれば、嘘をつくことになる。

てか、アンタも薄々気づいているでしょうが!
……ま~、だからこそ訊かずにはいられないんでしょうね。

マイケルとしては、こうなったら逆ギレ作戦しかない。
机をばしーんと叩いて「仕事に口を出すな!」と怒鳴りつけます。

しかし、ジッとマイケルを見つめるケイに根負けして、最後にはこう答えてしまうのです。
「殺していない」と。

愛ゆえに真実を話すか、愛ゆえに嘘をつくか。
マイケルは後者を選択したのです。

愛ゆえに孤独

ここからのシーンが「ああ~、まさに愛ゆえに孤独~~ッ!」って感じです。

安堵したケイはマイケルに抱きつくのですが、その時スクリーンにはマイケルの顔が映し出されます。

抱き合っているときって、お互いの表情が見えないんですよね。
この時のマイケルの表情も、安堵したケイの表情とは対照的な、遠くを見るような目をしています。

そして、ホッとした顔で飲み物を取りに行ったケイが、扉越しにマイケルの方を振り返ると、
そこにはドンとしての顔をしたマイケルがファミリーに囲まれており、
扉が閉ざされてエンドロール…という次第です。

この時のケイの表情といったら!
なんと表現すれば良いのでしょう…ふさわしい言葉がみつかりません。

たった3分足らずのシーンで、愛と孤独をこれほどまでに表現してしまうのには舌を巻きます。

ゴッド・ファーザーは、シリーズ3編を通して「愛ゆえに孤独」というメッセージを強く伝えてきます。
3作目の最後の回想シーンなんて、ほとんどラ・ラ・ランドです(笑)

マフィアの栄枯盛衰、そして愛と孤独…
はかないテーマの3部作映画ですが、それゆえに名作として多くの人の心を惹きつけてきたのでしょう。

ぜひ、3作品すべて観ることをオススメします。

おさまりが悪いですが、書きたいことは書けたので、これにて。

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