みなさんは、タイで毎年陰暦12月におこなわれるコムローイ祭りをご存じでしょうか?
たくさんのランタンが空に舞う様子を、インスタなどで見たことがあるのではないでしょうか。
ディズニー映画『塔の上のラプンツェル』の中のシーンのモデルにもなったと言われていますね。
私も「映え」に目がないので、さっそくblender2.8でつくってみました!
できあがりは、こんな感じ。
背景などは工夫の余地があるものの、それらしい光と動きに感じられるのではないでしょうか。
パーティクルを使うと、かなり簡単にこのようなアニメーションをつくることができます。
さあ、つくり方を見ていきましょう!
まずは、ランタンをつくろう!
モデリング編
先にランタンの完成形を見せると、こんな感じです。

円柱を用意し、モディファイアープロパティからサブディビジョンサーフェスを適用しておきます。
編集モードに切り替えて底の面を削除します。
そして、サブディビジョンサーフェス適用後のオブジェクトがそれらしい形になるよう、
Ctrl + Rでループカットを入れます。
ここまで「何を言ってるのかわかんねーよ」と感じた方は、
こちらの記事から基本的なモデリングの方法をご確認ください。
マテリアル編
レンダーエンジンをCyclesに切り替える

レンダープロパティを開き、レンダーエンジンをCyclesにします。
これによって、和紙を透かしたような明かりの表現が可能となります。
光源のマテリアル
編集モードのまま、「追加」ボタンからUV球を追加します。
このUV球を光源にしていきます。

マテリアルプロパティを選択し、
「+」ボタンを押します。
サーフェスから「放射」を選ぶことで、光源にすることができます。
カラーと強さは、お好みで調節してください。
さいごに「割り当て」ボタンを押すことで、UV球のみにマテリアルを適用することができます。
ランタンのマテリアル
和紙のような質感のランタンは、ノードでつくります。

画面をShadingワークスペースに切り替えましょう。
「追加」ボタンを押し、シェーダーから以下の3つを追加します。
- ディフューズBSDF:つや消しの質感をもつマテリアルのノード
- 半透明BSDF:半透明の質感をもつマテリアルのノード
- シェーダーミックス:ふたつのシェーダーをミックスするときに使うノード
そして画像のようにノードをつなげば完成です。
つや消し素材と、半透明の素材のミックスで、和紙のような表現をすることができるんですね。
パーティクルを使い、たくさんのランタンがランダムに宙を舞うようにする
さあ、いよいよパーティクルを使っていきましょう。
いきなりランタンを飛ばすのではなく、まずはパーティクルというツブツブを発生させ、動きを制御していきます。
その後、パーティクルの中身をランタンに設定するという流れになります。
パーティクルの設定(ツブツブの制御)
まずは、平面を追加しましょう。
この平面からパーティクルを発生させます。

平面を選択した状態で、パーティクルプロパティを開き、「+」ボタンを押します。
「数」を100に設定します。これは複製されるパーティクル(今回はランタン)の数です。
「開始フレーム」と「終了」は、0.000に設定しておきます。
これによって、最初から最後までパーティクルが消えずに存在することができます。
「寿命」は、最終的にレンダリングする動画のフレーム数に合わせておきましょう。
寿命で設定したフレーム数の間、パーティクルが存在し続けます。

続いて、速度を調節していきましょう。
今回つくるランタンは上方向に浮かんでほしいので、Z軸の速度を設定してあげます。
これだけでは真上に飛んでいくだけなので、ランダム化を設定しましょう。
実際に動きを見ながら、数値を調整してみてください。
パーティクルの設定(ツブツブをランタンにする)
いよいよツブツブをランタンにしていきます。
といっても、めっちゃ簡単です。
レンダーを開いてください。

まず、「レンダリング方法」をオブジェクトに設定してください。
つぎに、インスタンスオブジェクトで、ランタンのオブジェクトを選択してください。
はい、完成!これだけで、もうツブツブをランタンにすることができました。
さいごに、「エミッターを表示」のチェックを外しておいてください。
これによって、レンダリングするときに平面を見えないようにすることができます。
いよいよ、レンダリング
動画のレンダリングをするのは、このブログでは初ですね。
サクっと説明していきます。

まずは、出力プロパティを開きます。
「開始フレーム」と「終了」を設定して、動画の長さ(フレーム数)を設定してください。
たとえば、フレームレートが24FPSのときは、24フレームで1秒の動画となります。
つぎに、出力パスを設定してください。
ここで指定した場所に、動画ファイルが出力されます。
ファイルフォーマットは、FFmpeg動画にします。
そして、エンコーディング内のコンテナからMPEG-4を選択してください。
これで、MPEG-4形式の動画をレンダリングする準備が整いました!
あとは、画面上部の「レンダー」からアニメーションをレンダリングを選択すれば、完成です。
チョイ技:Cyclesのノイズを消す
Cyclesを使ったアニメーションのレンダリングには、とても長い時間がかかります。
レンダリングが終わってから「イメージとちがう!」とならないように、
アニメーションをつくる前にF12キーを押して、静止画のレンダリングをおこないましょう。
ためしに、今回の作品の静止画レンダリングをおこなった結果が、こちら。

うーん、ノイズが目立ちますね…
このノイズを消すには、デノイズなどの方法もあるのですが、
試してみたところ、ヘンな模様が入ってしまったので、今回は別の方法を使います。

「レンダープロパティ」から、サンプリング内のレンダーの値を増やします。
値を増やすほどノイズが消えます。ただし、その分レンダリング時間もかかります。
今回は900に設定してみました。
すると…

ノイズが目立たなくなりましたね!
仕上がりに問題ないことが確認できたので、安心してアニメーションをレンダリングできます。
まとめ
どうでしたか?
パーティクルの設定は一見むずかしそうですが、想像していたよりも簡単に感じたのではないでしょうか。
たくさんのオブジェクトをランダムに生成したいときに、ぜひ使ってみてくださいね。
今回の動画をつくるにあたっては、こちらの本を参考にしました。
blender2.8に対応しているので、とてもわかりやすくて初心者にオススメです。
ぜひ参考にしてみてくださいね。